以下の資料は山形大学での授業資料の一部を抜粋したものです。Excelのピボットテーブルの機能を使って単純集計を行います。再現可能性を高めるための方法としてこの方法はベストではありません(Rstudio等で解析していただいた方が良いと思います)。Excelの作業を学生に覚えさせることを目標としたものですので,その点もご了承ください。
この章では、集計したデータを要約する方法とピボットテーブルの使い方を学習します。ピボットテーブルとは、 リストの形式で用意されたデータを任意の形で分類し集計するためのものです。複雑な数式を入力しなければならないような作業でも、マウス操作で簡単に出来てしまいます。本章ではピボットテーブルによりクロス集計表を作る方法について理解します。
人間の認知機能や、ユーザーインターフェースを調べる実験ではパーソナルコンピュータが利用されます。画面上に正確なタイミングで図形や文字を提示する、ミリ秒単位で反応時間を計測するにはプログラミングのスキルが必要です。ただし,最近では「PsychoPy」などのソフトが開発され、簡単に心理学実験を作ることが出来るようになりました。このソフトを使って「3文字」および「10文字」の単語を各10個記憶する実験を5人の被験者に対して行った結果がCSVファイルとして出力されました。被験者ごとに各条件の平均値を算出した「クロス集計表」を作成してください。
図3.1. 心理学実験を行うためのソフトの例
クロス集計表は、行と列の2方向に「見出し」を持ち、それが交差するセルに「平均」などの集計値が書かれた表のことを言います。以下の例は、「被験者番号」が行の見出し、「記憶条件」が列の見出しです。「被験者番号1番」の「3文字条件」の記憶成績は2つがクロスするセルに書かれている「0.9」です。これは10個の単語の内,9個を正確に思い出せたことを意味しています。
表3.1. クロス集計表の例
ピボットテーブルを作るためには元になるリストの作成が必要です。リストは1枚のワークシートにまとめる必要があります。