なぜ何回も繰り返しが必要なの?
実験では,なぜこんなに繰り返す必要があるのでしょう?
1)偶然誤差の影響を弱めるため
偶然誤差とは,実験中に全くの偶然によって生じる誤差のことです。複数回反復して測定し,その平均値を算出することで偶然誤差は0に近くなります。
- 1試行しかない場合,たまたまボーッとしていて反応するのが遅くなっていたのだとすると,その影響で結果が歪められてしまう可能性が大きくなります。
2)剰余変数の影響を相殺するため
剰余変数とは,独立変数以外に従属変数の値に影響を及ぼす変数のことです。実験によって明らかにしたいのは,独立変数(原因)が従属変数(結果)に及ぼす影響についてです。しかし,独立変数以外のノイズ(剰余変数)が独立変数と一緒に変わってしまっており,その影響が結果に影響してしまうかもしれません。
- A条件とB条件でそれぞれ画像を1枚ずつ使っていたとします。独立変数として,画像の呈示時間を操作したとして,呈示時間以外にも様々な違いがあります。
- 例えば,2枚の画像で色や明るさ,被写体など多くの違いが生じてしまうと,A条件とB条件の結果に違いが出たとして,何が影響したのかを突き止めることができないかもしれません。そこで,複数枚の画像を用意して,画像の種類による違いを相殺するようにします。