1. 要因とは?

実験や調査で検討される対象(独立変数)は「要因」と呼ばれます。例えば,「図形を画面に呈示する時間が,その図形の記憶成績に影響するのか?」を検討した時の「呈示する時間」は「要因」です。

図形を呈示する時間について,0.1秒,0.5秒,1.0秒の3つの条件を設けたとします。この時に3つの条件は全て「呈示する時間」という1つの基準で変化します。そのため1要因と考えます。

また,図形を呈示してから回答するまでの間隔(遅延)も変えたとします。具体的には,直後に回答,1時間後に回答,1日後に回答したとします。この時は,「画像の呈示時間」と「回答までの遅延」という2つの基準で変化しますので2要因となります。

2. 水準とは?

各要因には複数の条件が含まれます。上記の例では,「呈示する時間」では0.1秒,0.5秒,1.0秒の3つの条件,「回答までの遅延」でも直後に回答,1時間後に回答,1日後に回答の3つの条件の条件がありました。このような各要因における条件の違いは「水準」と呼ばれます。

3. 対応(繰り返し)あり・なしとは?

例えば,「回答までの遅延」の直後に回答,1時間後に回答,1日後に回答の3つの条件を同じ人が全て行うのか,別の人が行う(直後に回答する参加者,1時間後に回答する参加者,1日後に回答する参加者)のかで実験計画が変わってきます。

同じ人が全て行う場合は「対応あり」,別の人が行う場合は「対応なし」と呼ばれます。また,「参加者内計画」,「参加者間計画」とも呼ばれます。