オンセットへの注意の捕捉とは?
- オンセットへの注意の捕捉とは,視覚探索課題において新しく空白位置に出現する対象に優先的に注意が向けられる現象のことです(Yantis & Jonides, 1984)。
- この実験では,複数のプレイスホルダー(デジタル表示された数字の 8)がまず呈示され,これらから線分が取り除かれる(オフセットする)ことでアルファベットが出現しました(オフセット刺激)。また,同時に空白位置にもアルファベットが出現しました(オンセット刺激)。
- ターゲットの出現確率はオンセット刺激とオフセット刺激で等しかったため,どちら
かを優先する必要はありません。それにも関わらず,オンセットターゲットの探索時間は,オフセットターゲットよりも短くなりました。すなわちオンセットのターゲットはオフセット刺激よりも先に探索が行われたことを意味しています。
- Yantis & Jonides (1984) は,オンセット呈示される刺激には自動的に注意が向けられると主張しました。
この現象(課題)について詳しくは以下のサイト・論文をご確認ください。
- 岩崎祥一, & 大原貴弘. (2003). 注意の捕捉. 心理学評論, 46(3), 462-481.
- 大杉尚之. (2019). 分割呈示探索における視覚的印付け. 認知科学, 26(2), 254-271.
- Yantis, S., & Jonides, J. (1984). Abrupt visual onsets and selective attention: evidence from visual search. Journal of Experimental Psychology: Human perception and performance, 10(5), 601.
説明
視覚探索実験(HとUの探索)
この実験では,たくさんのアルファベットの中から「H」か「U」を探してください。「H」があった場合には「Fキー」を,「U」があった場合には「Jキー」を押してください。出来るだけ早く正確に反応してください。
**この条件では先にたくさんの数字の「8」が呈示され,後からアルファベットが呈示されます。**半数のアルファベットは「8」と同じ位置に,残り半数は空白の位置に呈示されます「H」か「U」は「8」と同じ位置か空白の位置に等しい確率で出現します。「H」があった場合には「Fキー」を,「U」があった場合には「Jキー」を押してください。
独立変数
- ターゲット(H,U)
- セットサイズ(4,8,16)
- ターゲットの位置(先行位置,後続位置)