妨害刺激先見効果とは?
- 妨害刺激先見効果(Goolsby et al., 2005)は,1つだけ異なる色のターゲットを探す視覚探索課題において,ターゲットが含まれない(ディストラクタのみの)試行が直前に呈示されるとその色がターゲットの探索に影響するという効果です。
- ターゲットと同じ色のディストラクタが直前に呈示されると,ディストラクタと同じ色のディストラクタが直前に呈示される場合よりも50-100ms遅くなります。具体的には,緑色のディストラクタの中に1つだけ含まれる赤色のターゲットを探す時,直前の試行で赤色のディストラクタのみの試行を見た時には,緑色のディストラクタのみの試行を見た時に比べて探索が遅くなります。
- 妨害刺激先見効果の説明として,ターゲットを見つけられなかった試行で注意を向けた特徴(ディストラクタの特徴)に対して,注意を向けにくくする抑制が生じるためであると説明されています。
この現象(課題)について詳しくは以下のサイト・論文をご確認ください。
- Ariga, A., & Kawahara, J. I. (2004). The perceptual and cognitive distractor-previewing effect. Journal of Vision, 4(10), 5-5.
- Goolsby, B. A., Grabowecky, M., & Suzuki, S. (2005). Adaptive
modulation of color salience contingent upon global form coding and
task relevance. Vision Research, 45, 901-930.
- Lleras, A., Kawahara, J. I., Wan, X. I., & Ariga, A. (2008). Intertrial inhibition of focused attention in pop-out search. Perception & Psychophysics, 70, 114-131.
説明
視覚探索実験
この実験では、左右のいずれかの角が欠けたひし形が3つ呈示されます。1つだけ色が異なるひし形が含まれている場合は,色が異なるひし形を探して,その欠けている方向を答えてください。左が欠けている場合は「Fキー」を,右が欠けている場合は「Jキー」を押してください。3つとも同じ色の場合には何もキーを押さず,そのまま待っていてください。
独立変数
24試行中の16試行は「preview→search」の構造に気付かせないようにするためのダミー試行。8試行分(preview試行→search試行のセット)のみが分析対象
- 試行タイプ(trialstate)
- test試行(1):8試行(preview試行→search試行のセット)
- previewonly試行(2):8試行(preview試行)
- searchonly試行(3):8試行(search試行)
以下は「test試行」の構造