単純再認とは

呈示された項目を覚えたかどうかを判断する課題を単純再認課題または単純再認テストと呼びます。覚えたかどうかの判断は「old/new判断」とも呼ばれます。

今回の目的

今回は単語を用いた単純再認課題を作ってみます。画像再認を扱った大杉先生による4. 簡単な写真の記憶実験を作ろうがありますが,今回はよりアドバンスドな内容になるので,その後に読むことを推奨します。違いとして,刺激をcsvからインポート,old/new判断をボタンで実施があります。次回以降は計算課題の実施,計算段階のランダム実施などもあります。

lab.js Builderでの作成

実験の構成

最初に実験の構成を考えましょう。単語を覚える段階(学習段階),妨害課題として計算課題を行う計算段階,そして,再認記憶テストを行う再認テスト段階から実験を構成することにします。さらに,それぞれの段階で注視点や刺激呈示を行うので,構成図は以下のようになります。なお,今回は再認テスト段階ではフィードバックは出さないようにします。

学習段階

では,まず,学習段階を作成します。lab.js Buliderを起動しましょう(https://lab.js.org/からBuliderを選択)。最初に単語を呈示する試行を作成するため,「+」をクリックし,Screen(Canvas)を作成してください。

https://s3-us-west-2.amazonaws.com/secure.notion-static.com/626a1d7e-f5f7-4db7-8e09-14f84ac69d1b/_2020-04-13_14.50.56.png

続いて,「Screen」という初期名を「word」に変更しましょう(名前は何でもOK)。続いて,Contentに文字を配置します。後ほどLoopを作成し,Loopのparametersを読み込んで,呈示する単語を変化させるため,テキストを追加し,${this.parameters.word}と入力し,Contentの中央に配置してください。以下の画像になっているかと思います。

<aside> 💡 Loopについては,以下のページに詳しく書いてあります。 評定課題(多肢選択・Screen使用) ストループ課題を作ってみよう

</aside>

https://s3-us-west-2.amazonaws.com/secure.notion-static.com/9960fcaa-d91b-49ff-90c6-10839c4dd638/_2020-04-17_13.59.33.png

続いて,単語を1秒呈示するため,「Behavior」を選び,「Timeout」に「1000」と入力してください。さらに以下の手順で注視点やブランクを作成し,1試行としてまとめてください。さらに,注視点の呈示時間は1000msとしましょう。同様に新たにScreen(canvas)を追加し,「blank」と名前を変更し,ブランクも作成してください(時間は500ms)とします。以下の手順になります。

  1. Screen(canvas)を追加し,「fixation」と名前を変更し,画面中央にテキストを追加し,「+」に変更する。そして,「Behavior」から「Timeout」を1000msとする。
  2. Screen(canvas)を追加し,「blank」と名前を変更し,そして,「Behavior」から「Timeout」を500msとする。